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美術鑑賞会

~ミュシャ展~

2018美術鑑賞01

2018美術鑑賞02


 初めて美術館鑑賞会に参加させていただきました。3月10日(土)でまだ春先ですが、快晴で暖かく、どこかに出かけないともったいないという、この上ない鑑賞会日和でした(花粉症なのでインドアがやはりうれしいという事情もあります)。参加人数は27人で大いににぎわい、その中に僭越ながら、私の家内と息子もご一緒させていただきました。
 入館するときに学芸部長の古谷さんからユーモアに富んだ解説をいただきました。解説の内容としては、このたびのひろしま美術館の「ミュシャ展」は昨年に東京の国立新美術館で紹介された「スラブ叙事詩」を取り上げたものとは異なり、ミュシャが最も広く知られている演劇、広告用の版画、ポスターのデザインを主体に取り上げた展示会ということでした。
 熱く語られていたひとつとして、ミュシャが画家として描いた「絵画」よりもこれらのポスター用に描いたデザイン展のほうが、実は楽しめるというものでした。実際に鑑賞しましたところミュシャがポスター用でなく描いた絵画が何点か展示されていましたが、まさに同感でした(事前にお知らせいただいたので、期せずして心の準備になりました)。
 主役の美しい女性が真ん中にいて、過剰ともいえる装飾用の草花が背景に配置される。演劇用のポスターであれば、さりげなく陰のある人物等が隅に描かれることで、何か起きるぞと暗示させる。そして極め付けとして華麗なフレーム装飾を描いていく。まさにこちらのほうが私たちの期待する「ミュシャ」です。メインボーカルがいて、心地いい音色のギターがリズムを刻み、ベースが全体の迫力を出していき、ドラムがエッジを効かせるといったバンドの楽曲構成のように、心をわしづかみにしてくれます。
 もう一点、ミュシャのポスター用の絵画は日本画と同様に人物などの縁取りをしっかりと描いている解説をいただきました。確かによく見ると、異常に太い線で、背景と人物を区分する線を描いています。多分、この線があることで、主役の人物が効果的に強調されているものと思います。西洋の絵画(油絵など)であれば確かに縁取りはデッサンとして描くだけで、完成品では色彩をもって人物と背景を塗り分けていくような気がします。今まであまり意識することはありませんでしたが、この太い線を違和感なく描き上げることで、ポスターを見る人の目を惹きつける、これが機能的アートなのかと、少しわかった気分になりました(ミュシャが「絵画」として描いている作品にはこういった縁取りはありませんでした)。
 解説をいただいたことでずいぶん興味深く鑑賞できたような気がします。お陰様で、家族一同、大変有意義な一日を過ごすことができました。

( 31回生 竹本辰三)
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